企業の森づくりボランティア活動
Forest conservation volunteer activity

企業の森づくり

第8回(10.05.09) :「徳倉・森の教室」開催さる!

当日の参加者は副社長を始めスタッフを含めて全員で34人、親子連れは3組、こども6人、女性は4人と比較的盛況?であった。講師は豊田市林務課の北岡明彦先生、9時から始まり11時半まで(時間オーバー)のご熱心な現地講義ではあった。まずマイクは要らない、いや使用禁止。まず「地面をよーく観察しよう」から始まり、森林内の樹木、そして道路へ出てソデ群落の樹木の名前やその木の由来、特徴、位置、森林文化との関係など、また木だけではなく、昆虫の生態ややオオルリの囀りも教えてもらった。ネームプレート書きは親子の協働だ。詳しくは次の報告を参照してください。先生と別れて中央広場に戻って一同、枝打ちなどの軽作業?に入った。枝打ちに人気があった。やはり森の作業が良かったのかな。ほんの30分程度であったが労働の喜びを味わえたと思う。最後に森の緑陰で弁当を拡げた。そしてオプションイベントとして山頂までの登山でしっかりと汗を流した。(8人参加)。またやりたい、北岡先生またお願いしますとの声頻り。県有林の管理者である県林務課の玉井さん、県有林事務所の間瀬さんに参加していただき、指導やら質疑応答に加わっていただいた。感謝します。
北岡先生のお話「森のしくみと楽しみ」と樹木のネームプレートづけのとき聞いたお話を末尾に載せました。

 

徳倉・森の教室 北岡明彦先生のお話 「森のしくみと楽しみ」

先生は豊田森林学校で年間60日、教えていることや豊田市の森づくり条例と森づくり100年構想策定の貢献されたことの紹介があった。

〇森の中ではマイクは使わない。鳥や小動物が驚く。人は森への侵入者である、できるだけ静かに。
〇森の中、周りの地面を観察しよう。そして森を散策しよう。楽しい!

ミミズがいた。ミミズは地中の枯葉など食べ糞として出す、分解者である。これが良い土を作り、木に栄養分を与える。ダーウィンは“大地の耕作者”と名づけた。生物に不要なものはいない。見つけたらそっと地面に戻してあげよう。

地面にブナ科コナラの雄花の枯れたものがいっぱい落ちている。2年目の幼木もあるが、大半は1年目で昨年秋、どんぐりに根が出てこの春に芽(双葉はなく直接本葉)が出たもの、たまたま光が当たっているものが残り、大半の条件の悪いものが枯れてしまう。しかしこれが自然のおきて=掛け捨て保険である(人と違って、親が生きて子が死ぬ)。

大きな葉が落ちている。ホウノキである。枯れ葉でホウ葉味噌。生葉でホウ葉すしを造る。カシワ餅はカシワの葉だけでなく地方によってはホウノキ、九州ではサルトリイバラ、瀬戸ではモンゴリナラの葉などを使う。もともと「炊ぐ」、皿の意

葉を揉むとにおいの強い木、これはシロモジ、ヒノキの人工林に多い木で天竜川以西にしかない

枝を折ると良いにおいがする、これはクロモジ、枝を煎じてハーブティーとして味わう。枝の皮を1面残して茶道の楊枝として使う。1本¥100する。

葉が柔らかく手触りが良い木、ヤブムラサキ、園芸種でいうムラサキシキブは本当はコムラサキ。

エゴノキ、この葉をJ型に切り、折り紙のように巻いて卵を擁する。この落し文(平安時代の習慣)のようなものは甲虫エゴツルクビオトシブミのメスがつくる家、食料兼用の巣である。包まれていた卵は金色の楕円球でとてもきれいだった。

今、カワトンボが飛んできた。4月中旬から5月いっぱいに飛んでいる。近くにきれいな水がある証拠。

黒い虫、オサムシ(治虫)が歩いている。(歩行虫)     ミミズや蛾の幼虫を食べる。飛べない虫なので森が破壊されるといなくなる。この森が過去、完全には破壊されていない証拠。ともに豊かな森、良い自然の土地であることの証明となる指標生物である。

県道沿いの排水枡でオニヤンマのヤゴを子どもが発見、ヤゴの他の虫を捕らえる下あごを下に開いてその大きさを観察した。

コナラなどがカシノナガキクイムシにより枯れている。瀬戸市は昨年急増したという。大丈夫か。原因は?の問いに対してコナラは100年から150年の寿命。このあたりでは里山での燃料などとして使わなくなった。もう80年を経ている、これは寿命。人間の手の入れ方が変われば森は変わるし、別の姿(本来の姿)で生き延びる。自然は偉大だ。

全ては大地から、森から、守らなければ・・・。

人工林なのか、広葉樹林なのかの問いに対して森には水源涵養やこの森のように土砂流出防止など公益的機能と経済的価値がある。地形、土地の栄養などを考え経営が成り立つところは経済林とし、ここのような貧栄養の土地(花崗岩のマサ)でかつ下流に多くの住民が住むようなところは防災機能などの公益中心に考えたほうが良い。日本の人工林の割合は40%、愛知は60%もある。これは多すぎるだろう。

 

どんぐり講座“どんぐりのパンツ”

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